まだまだ日本ではマイナー。だけど、これを世界に広めていきたい。犬の保育園 Happy Wan 山口

「犬の保育園」をご存知ですか?このユニークな施設は、愛犬とその家族が幸せに共存できる社会を目指す新しい取り組みです。今回は、その先駆者である「Happy Wan 山口」の藤田かつとし先生をご紹介します。

藤田かつとし先生のプロフィール

動物福祉(アニマルウェルフェア)にかける想い ~藤田かつとし先生の歩み~

1999年、山口県萩市でトリミングサロンを開業。
その後、動物愛護活動に取り組む中で、「不幸な動物たちを減らすためにはどうすればいいのか」という課題に悩み、ドイツ・ベルリンへ渡ります。
 
ベルリンで、日本とドイツにおける「犬と人との暮らし方」の大きな違いに衝撃を受け、科学的で人道的なドッグトレーニングの方法を学び始めます。

著作者:Wepik/出典:Freepik

犬の保育園「Happy Wan 山口」の紹介

Happy Wan 山口の目指す未来

  • 2017年は、藤田先生は、トレーニング施設「HappyWan山口」を設立。
  • その後、最新の科学的知識に基づき、人道的な方法を採用する世界基準のドッグトレーナー資格「CPDT-KA」を取得しました。ハッピーワンでは、犬の保育園、しつけ方教室、トリミング、グッズ販売など、愛犬と飼い主様の快適な生活をサポートする多彩なサービスを提供しています。
  • 特に、まだまだ日本では聞きなれない方も多い「犬の保育園」では、子犬の頃から日帰りでお預かりし、社会化を中心とした練習や基本的なしつけ(オスワリ、フセ、オイデ、マッテなど)を、遊びを通じて楽しくトレーニングしています。また、お手入れやハウスに慣れる練習も行い、良い経験を積むことで、愛犬の健全な成長をサポートしています。

応用行動分析学(ABA)に基づいた科学的な方法で、叱るのではなく、良い行動を引き出すトレーニングを行っています。これにより、人も犬もお互いが楽しく暮らしていけるようサポートしています。

  • ハッピーワン
  • 施設の所在地は以下の通りです:
  • 萩店:〒758-0074 山口県萩市平安古町129番地6
  • 山口店:〒753-0222 山口県山口市大内矢田南1丁目
  • お問い合わせは、山口店(電話:083-902-0025)までご連絡ください。

犬の保育園がもたらす可能性

日本における動物福祉の課題と、犬の保育園がその解決にどう貢献できるか

日本の現状と課題

日本では近年、動物福祉(アニマルウェルフェア)への意識が徐々に高まっていますが、まだ課題は多く残っています。例えば、ペットの飼育における「しつけ」や「社会化」の重要性が十分に認識されていないことから、問題行動を理由に捨てられたり、適切なケアを受けられないわんちゃんが少なくありません。

また、わんちゃんを単なる「ペット」として扱う考え方が根強く、「犬と人が共に快適に暮らすための学び」を提供する場が不足しています。その結果、愛犬自身の心身の健康が損なわれるだけでなく、飼い主との関係性にも悪影響を及ぼします。

犬の保育園がもたらす解決策

犬の保育園は、これらの課題に対して有効な解決策を提供します。特に以下のような効果が期待されます:

  1. 社会化の促進
    幼少期から他の犬や人と触れ合うことで、愛犬の社会性が向上します。これにより、問題行動(吠え癖、噛み癖など)が予防され、ストレスの少ない生活を送れるようになります。
  2. 飼い主の教育
    犬の保育園では、愛犬だけでなく飼い主への指導も行います。科学的で人道的なトレーニング方法を学ぶことで、飼い主がわんちゃんとより良い関係を築くことができます。
  3. 動物福祉の向上
    犬の保育園は、愛犬を「人間社会の一員」として尊重し、心身のケアを提供します。この理念は動物福祉の普及に繋がり、捨て犬や不幸なわんちゃんを減らす一助となります。

海外の成功例:ドイツや他国との比較

ドイツ:動物福祉の先進国

ドイツは、動物福祉の分野で世界的に評価されています。法律で「動物を保護すること」が明記されており、わんちゃんの飼い主には法的にトレーニングやケアの義務が課されています。

ドイツでは、犬の保育園やドッグデイケアが一般的に利用されており、犬を日中預けることで社会性を育みつつ、飼い主が仕事や家庭の用事に集中できる環境が整っています。また、犬の保育園ではトレーニングだけでなく、十分な運動や心のケアが提供されるため、愛犬の幸福度が高まります。

著作者:Wepik/出典:Freepik

他国の例

アメリカや北欧諸国でも、犬のデイケアやトレーニング施設が普及しています。これらの国々では、愛犬が飼い主の生活に密接に関わるパートナーと見なされており、保育園の利用を通じて犬と人の関係を深める文化が根付いています。


犬と人が築く「ウェルビーイング」な未来

犬の保育園が普及することで、愛犬と人が共に豊かに暮らす社会が実現します。この「ウェルビーイング」「アニマルウェルフェア」な未来には、以下のようなビジョンが含まれます:

  1. 犬の幸福度向上
    適切な社会化とトレーニングを受けた愛犬は、ストレスの少ない生活を送り、心身ともに健康でいられます。
  2. 飼い主との信頼関係の向上
    飼い主が愛犬の行動を正しく理解し、適切に対応できるようになることで、双方の信頼関係が深まります。
  3. 社会全体の動物福祉意識の向上
    犬の保育園を通じて、動物を「命ある存在」として尊重する文化が広がり、動物福祉の考え方が社会に浸透します。
  4. 地域社会との共生
    愛犬が適切に社会化されることで、地域社会の中で犬と人が共に快適に暮らせる環境が整います。

おわりに

日本ではまだマイナーな「犬の保育園」という取り組みですが、その可能性は無限大です。ドイツや他国の成功例を参考にしつつ、日本でも愛犬と人がともに幸せに暮らせる未来を目指し、一歩ずつ前進していきたいですね。「Happy Wan 山口」をはじめとする先進的な施設が、その第一歩を担っています。

まとめと藤田先生からのメッセージ

動物福祉を広げるために私たちができること

「動物福祉を広げるために、私たち一人ひとりができることはたくさんあります」と語るのは、「Happy Wan 山口」の代表、藤田かつとし先生。犬の保育園を通じて数多くのわんちゃんや飼い主と向き合ってきた藤田先生は、動物福祉(アニマルウェルフェア)の可能性を次のように話します。

「動物福祉というと大きなテーマに感じるかもしれませんが、日々の生活の中で実践できる小さなことから始められます。たとえば、犬をしっかり社会化させること、そして適切なしつけを行うこと。それが犬のストレスを減らし、飼い主や社会との関係をより良いものにしていく鍵となります。」

藤田先生は、犬の保育園という場を通じて、わんちゃんたちに楽しく学べる経験を提供するだけでなく、飼い主自身が「犬の気持ちを理解する方法」を学ぶ機会を作っています。

「犬の保育園は、犬の心と体の健康をサポートするだけではありません。飼い主さんも、犬と一緒に成長し、絆を深める場所なんです。そんな場所をもっと日本中に広げていけたら、犬たちの未来がもっと明るいものになると信じています。」

最後に藤田先生は、動物福祉を広げるために大切なことをこう結びます。

「犬の保育園を通じて、動物たちの幸せな未来を一緒に作りましょう。そして、犬と人が共に笑顔で暮らせる社会を目指して、私たちにできる一歩を一緒に踏み出しましょう。」

この記事を読んだあなたも、「アニマルウェルフェア」の考え方、動物福祉の輪を広げる第一歩として、犬の保育園の活動やその理念を身近な人に伝えてみませんか? 小さな一歩が、やがて大きな変化を生み出す力になります。

https://www.instagram.com/happywan.yamaguchi

執筆者 松浦奈津子(ハッピーワンの「犬の保育園」に、愛犬のロットワイラーHANAを生後3か月から通わせており、とてもいい子に成長しており、その大切さを身に染みて感じている一人)

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